大阪府知事を辞任し大阪市長に立候補する橋本氏の議論の中に、「二重行政の打破」というものがあります。この問題は、何も大阪だけでなく、全国各地で議論されてきた問題であり、私も県議20年の間にいろいろ考えてきた問題ですので、私の見解を述べておきたいと思います。
憲法には「国家主権」「平和主義」「国民主権」「基本的人権」の大原則と同様に「地方自治」の大原則があります。私は、「地方自治」という大原則は決して「地方」だけの問題ではなく、「平和主義」「国民主権」「基本的人権」などの大原則を貫く上で大切な原則と考えています。
例えば、「基本的人権」は、憲法25条で「国の責任」とされているわけですが、「地方自治」が大きな役割を果たしてこそ守られるとのです。
また「国民主権」は、「地方自治」があってこそ国の隅々に行き渡らせることができるのではないでしょうか。それが「地方自治」が「民主主義の学校」と言われる所以です。
その「地方自治」は「都道府県」と「市町村」の二層制をとっています。二層制は「広域的なものは県、身近なものは市町村」という考えだけではなく、前述の憲法の諸原則を、地方が「二重に擁護する」という考えのもとにとられた制度だと私は考えています。
国の制度の上に、県と市が二層に組みたて、いっそう充実させ、個性的で豊かな制度を築く・・・これが「二層制」の意味なのだと思います。
確かに、県と市町村で同じことを繰り返す無駄は省かなくてはなりません。それこそ、本当の意味の「行政改革」でしょう。しかし、この「地方自治の二層制」の豊かな内容を覆すことはあってはならないと思います。
そしてもう一つ「二層制」の意義があります。
そもそも、橋本氏の言動は、自分を「国、府、市」の上に置くファッショ的なものを感ぜざるをえません。彼のような人物の権力の濫用を許さないために、「地方自治の二層制」があるのではないでしょうか。